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こんな感じ(自称「半農半活動」)で生息しています。
① 可能な限り自給自足(とりあえず家庭菜園と年収100万円程度の生活)
② ①以外の時間を、社会問題の解決に充てる(取り組む問題は何でもあり)
半農半X とBライフにインスパイアされました。

死なない以上は、子孫と環境に負の遺産を残さないように生きれればと考えています。
単身で気楽に生活、ピンピンコロリでフェードアウト!が理想です。
詳しくは、公式ブログ見てください。よろしくm(._.)m
あと活動に関しては、2014年度以降はこちらへ→活動版

コメントいただければ、かならずお返事いたします(^^)
ネット環境のない場所を放浪していたりで、お返事に2~3日かかることもあります<(_ _)>

気晴らし読書『若者の住宅問題』 [読書]

『若者の住宅問題』『若者の住宅問題-住宅政策提案書[調査編]-』
2014年 認定NPO法人ビッグイシュー基金

ビッグイシュー基金のサイトから無料ダウンロードできます。

大学を出てからずっと非正規(年収MAXは140万円)で、30歳台前半の一時期だけ正規雇用(4年間)
そして、アラフォーの今に至るまでずっと非正規
とくに、ここ6年間は積極的に年収100万円程度の暮らしを実践してきました。

また、Bライフを参考に三重県の原野(150坪)を共同購入(100万円を折半)し、いざという時は同地でのテント暮らしを可能にしました。

正社員は無理だし、そもそも嫌。結婚なんて想像できないし、興味もない。コミュニケーション能力も低いわたし

ちなみに、直接会って話をする関係は、同レベル所得層か、貧乏人に合わせて付き合ってくれる方のみです。
例えば、平均レベルの収入のある方と付き合うと、どうしても飲食費がかかります。こちらは、交際費を極力削って生活を維持しているので、付き合うのは難しいのです。かといって、公園のベンチで話をしようというわけにもいきませんし…

こんな世捨て人の私でも、
年収100万円生活には積極的意義を見出しています(*゚▽゚)ノ
それは、資本が煽る物的欲望を最小化することで、働く時間(資本に束縛される時間)をも最小化し、資本主義がもたらす苦痛から最大限逃れることです。
さらに、増えた自由時間を資本主義がもたらす社会問題の解決に充て、さらなる自由の高みを目指せれば、それなりに満足です。
問題は、私のような暮らし方が持続可能かどうかです。
まずは、食料とエネルギー
今後、これらの高騰は必至ですが、そこは出来るだけ自給自足する準備を整えれば、何とかなるのではないかと考えています。
次に住宅
これは、空家問題でも分かるように、今後、占有されていない土地や住宅がわんさか出てくると思います。
それらを、欧州や中南米のように占拠すればなんとかなりそうです。
また、消滅した自治体・地域で、テントやバラック小屋で暮らすという選択肢もあります。
いずれにしても、グローバルに思考すれば、上記のような暮らし方は、敗戦後の日本や「途上国」の日常風景です。
やってやれないことはありません。
ただし、これは社会秩序や統治機構が相当弱体化した時期を想定しています。

それまでは、住宅をどう確保するのか、2K賃貸暮らしの実家に同居するわけにもいかず、自力で借家暮らしをせざるを得ない私にとっては、重大な問題でした。公務員を辞めるときに最も不安だったのは住居の確保です。
私自身が低収入(年収100万円)かつこれまた低収入(生保チョイ上)の親の保証人で、賃貸住宅を貸してくれるのか、全く見通しが立ちませんでした。
今は上述のように土地を所有しているので、ひとまず安心です(´▽`) ホッ
このような思想性を前提に、『若者の住宅問題』(以下「同書」)を読ませていただきました。

同書の主張の骨子は「住宅事情の改善と安定が、貧困に立ち向かい、社会の持続を支える条件になる」というもの。
なかでも、若年・未婚・低所得の人たちに焦点を合わせ、その住宅・生活実態に関する調査を実施・分析・提言を行っています。
調査対象は①首都圏(東京都、埼玉・千葉・神奈川県)と関西圏(京都・大阪府、兵庫・奈良県)に住む、②20 ~ 39歳、③未婚、④年収200万円未満の個人(学生除く)回答者は1,767人(首都圏904、関西圏863; 男性938、女性829; 20 歳代888、30 歳代879)

同書では、若年層の住宅確保が困難という現状は、彼ら自身のみならず、社会維持のサイクルを弱らせ壊してしまうと問題提起(少子化の促進等)

結論としては、
住宅政策の再構築により、良質・低家賃の住宅ストックを豊富に用意し、住居に関する選択の幅を広げること、これにより、人生の「かたち」をより自由に描く若者が増やし、その多様な軌跡の集積から社会持続の新たな「かたち」が現れることに期待します。

同書では、若者の置かれている現状を様々な調査結果から分析していますが、私のアンテナに引っかかったものをいくつかご紹介します。 ※→以下は私の補足等

年収200 万円未満の人たちの規模
就業構造基本調査(2012 年)によると、首都・関西圏に住む20 ~ 39 歳の未婚・有業者のうち30.0%
この30%に無職者を加えるとかなりの規模になるとのこと。
→平成22年国勢調査のデータを、私がざっと見た所では20代では8割強、30代では4割強が未婚
『平成22年国勢調査』「表Ⅲ-2 配偶関係,年齢(5歳階級),男女別15歳以上人口の割合」参照

4人に3人は親と同居かつ8割強が出身地が現住都府県
→首都・関西圏の若者の大半が、親と同居し出生地から移動していないとのこと。

最も多い学歴は?
「大卒」の(33.9%)。高卒が24.5%、短大・高専・専門学校卒業が22.2%が続く。
→予想以上に大卒が多い。大学進学の費用対効果が相当低下しているのを感じます。というか元が取れていないケースも多そう。

年収は?
個人の年収なし27%、50 万円未満が23%

親同居の場合でも低年収世帯が多い
「200 万円未満」が30.7%、500 万円未満の世帯が73.8%
回答者が低収入であると同時に、同居の親の収入も低い場合が多いとのこと。※単親世帯の収入がとくに低い。
→若者(20~39歳)+親の年収がこの程度。この若者たちが齢を取ると、親の年収も定年等で下がっていくので、世帯年収はさらに落ち込むことが予想されます。未婚で親と同居しているのは、高所得の親が多いかと思っていたが、違っていましたね。

資産は?
預貯金なし43%、50 万円未満が3 割弱。預貯金なしは、どの年齢層でも4割強。資産が100 万円以上は20.2%
Bライフ(100万円程度で購入した土地に10万で小屋を建て清貧に暮らすライフスタイル)を始めることも無理。それどころか、重い病気や怪我、仕事・日常生活での賠償責任を負った時などは、たちまち生活破綻です。親と同居していなければ、ホームレスに陥りかねません。

社会保険加入の不安定さ
雇用保険に加入しているか「わからない」が14.8%
健康保険等に「加入していない」が10.4%、「わからない」13.8%
公的年金保険に「加入していない」13.2%、「わからない」(16.2%)
→年収200万円未満が調査対象なので、社会保険加入率が低いのは予想していましたが、『最貧困女子』で取り上げられていた貧困原因の一つである社会保障制度からの無縁を予感させる数値です。

3人に1人が「いじめ」を経験、3割弱が「うつ病など」
→学校生活での不幸な体験が、低所得や精神上の困難とも結びついているなら、ますます自己責任ではなく社会問題として解決する必要があるでしょう。

親持ち家が6割、自己借家は2割
親所有・賃借の住宅に住む人たちが74.1%(うち「親持ち家」が60.9%、「親借家」は13.2%)
世帯内単身者が親の家に納めている生活費の月額:「納めていない」が63.7%
未婚・低所得の若者のマジョリティは、親の持ち家に住み、それによって生活を維持する状況
→親と別居していても、そのうち2割強が「親持ち家」または「親借家」に居住しているとのこと。比較的余裕がある層なのか?

親の家に住む理由
「親の家を出ても、住居費を自分で負担できない」53.7%、「親の家に住んでいれば、家事負担が軽い」は54.0%、35~39歳では「親の面倒をみる必要がある」(16.8%)
→私の場合も「親の面倒」は現実味を帯びつつあります。少なくもとも介護費用を捻出できないかぎり同居せざるを得ないでしょう。2Kに親子3人はお互いにきついが仕方ないですね。

自己借家の若者の厳しさ
増大した持ち家ストックは、低所得の未婚者を支える役目をになうと同時に、若年層を親に頼れる/頼れないグループに分化させ、住宅条件に関して「親持ち家」と「自己借家」を差別化する機能
自己借家の若者の困窮が際立っています。

親同居でも続かない安定
<安定脅かす三つの要因>経済・住居費・親子関係の条件変化。加齢につれて、親の収入が減少する一方で子どもが収入を増やす現実性は低下、住居劣化による経費負担が発生、親に面倒を見られる状況から親を介護する状況に。
→親に経済・家事両面頼っていたのに、自立どころか親の扶養・介護まで負担出来るとは到底思えません。若者が10年経ってアラフォー・アラフィフになった頃に破綻が予想されます。

住居費「負担あり」32.4%(住居費の主負担者が「本人」は16.6%)
そのうち、住居費負担率(住居費/手取り収入)が30%以上が57.4%、50%以上が30.1% ※手取り収入=収入総額-税金・社会保障費
なお、手取り月収なしの者も18.5%いるが、住居費を生活保護なり親の援助で賄っていると思われる。
→調査対象者の中で親と別居している者の6割弱は年収が100万円未満。仮に、年収90万円強だと年収=手取り収入ですが、家賃に半分払うと残りは40万円強。3.5万円@月で、食費・水光熱費その他もろもろを工面しなければならないということでしょうか。

「幸福な生活のために重要なこと」
複数選択方式(3項目を選択)で質問した結果、トップ3は「健康」「安定した仕事」「安定した住まい」。うち「健康であること」が群を抜いて高く、82.2%
→若いうちは、健康は当たり前で幸福条件としてあまり意識していないのではと思っていましたが、結果はトップ。他には「仕事」「住まい」。本当にささやかな願いであるのが印象的。

未婚・低所得の若者の住宅確保のために、「親持ち家」が大きな役割
そのストックの保全に対する支援が新たな課題になる可能性(「親持ち家」という“私的”な空間は、低収入の若者に住む場所を供給する点において“社会的”な役割)
→空家問題は話題になることが多いですが、近い将来、低所得者の老朽化した持ち家の増加も問題になること必至です。


読後雑感:

高齢者が増える一方で、若者の困窮(とりわけ「自己借家」に住む若者)が進行中です。
今は親に支えられて生きる未婚・低所得の若者も、いずれは自立するか親の介護に迫られるでしょうが、たぶんそれは困難でしょう。

同書中の“ 結婚する、できる”の回答者が1割未満ですから、おそらく子どもが生まれることもほとんどないと思われます。
結果としては、貧困の連鎖は家系断絶という形で終止符が打たれるのかもしれません。
当人が望んだのならともかく、社会構造的な終止符であるのなら、とても残酷です。
優勢思想が、法や制度ではなく、社会構造として実現しているとも思えてしまいます。

ところで、このまま未婚・低所得の若者層が増加するか維持されればどうなるのか?
例えば10人の若者がいるとして、そのうち4人が生涯未婚で子がないとすると、残り6人で10人の子孫を残さないと、10人未満になります。この場合、3組の夫婦があったとしてそれぞれに3.33…人の子どもを育てねばなりません。
現実はこんな単純ではないでしょうが…

敗戦後の日本や「途上国」は、今の日本よりはるかに貧しい状況のはずですが、社会の再生産がここまで問題にはなっていないません。
高度経済成長・バブル・アベノミクスと経済成長に最重点を置いてきた日本社会の構造に、再生産を困難にする要因がありそうです。

少なくとも、同書のいう社会持続の新たな「かたち」が必要ですし、加えて「かたち」ができるまでの間の助け合いが課題になるでしょう。
もっとリアルに考えると、富と能力のある層が貧困層を一方的に助ける場合が多くなると思います。子どもを助けるのに見返りを求めないのと同様、社会構造によって困窮に陥った層を助けるのに見返りを求めない、これが重要だと思います。

追伸:最近重い本ばかり読んでいるので、気晴らしに『寝台特急殺人事件』(西村京太郎)を読書中。小学生の頃、「富士」に乗って、母の実家の鹿児島まで行きたいと思っていたので。その願いをささやかながら実現です(*^-^)

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ナナ

読んだけど努力しないとこうなるんだなー。
by ナナ (2015-03-15 16:04) 

majyo

重いテーマですね。私も考えなければならないことが
多いです。ビッグイシューですが
昔はよく買ったのに、今はここでは売っていません
まあ、売るべき人がいないからかもしれませんが・・・
by majyo (2015-03-15 21:23) 

hnhk

majyo さん
ビッグイシューを売っていた方が、自立して何処かで幸せになっていると思いたいですね(^^)
by hnhk (2015-03-15 21:33) 

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