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こんな感じ(自称「半農半活動」)で生息しています。
① 可能な限り自給自足(とりあえず家庭菜園と年収100万円程度の生活)
② ①以外の時間を、社会問題の解決に充てる(取り組む問題は何でもあり)
半農半X とBライフにインスパイアされました。

死なない以上は、子孫と環境に負の遺産を残さないように生きれればと考えています。
単身で気楽に生活、ピンピンコロリでフェードアウト!が理想です。
詳しくは、公式ブログ見てください。よろしくm(._.)m
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読書『女子の貧困』 [読書]

女子の貧困『女子の貧困 週刊東洋経済eビジネス新書No.118』
編  集: 週刊東洋経済編集部他
発売日: 2015年07月10日
出版社: 東洋経済新報社



書籍説明より
格差の進む日本。2012年の相対的貧困率は過去最悪を更新して16.1%と、国民の6人に1人が貧困状態。さらに子育て中の一人親世帯では54.6%にも達する。
 特に厳しいのが母子家庭だが、若い女性の貧困も問題だ。
 元AV女優・日経記者という異色の経歴を持つ著者が書く「セックスワーカーの貧困」、子どもの貧困に取り組む大人たちの取り組み、生活保護の実態など女子の貧困に迫った。

※「平成25年国民生活基礎調査」では
18歳未満の子どもの貧困率は16.3%と過去最悪を更新
一人親世帯の貧困率は58.7%でOECD諸国中断トツの最下位

参考:「母子家庭」「20代前半男性」「子ども」に際立つ日本の貧困 国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩部長が解説

●●目次●●
元AV女優・日経記者が歩く女性の貧困最前線
6世帯に1世帯が貧困。困窮する子育て家庭
column「2分の1成人式がえぐる心の傷」
住民の「おせっかい」が子どもを貧困から守る
生活費も家賃もカット。改悪続く生活保護制度
column「カード支給は違法? 揺れる大阪市」
はびこる生活保護への誤解
厚労省が物価を偽装? 揺らぐ保護費削減の根拠
国際比較で見た「生活保護」。日本の特徴は家族まかせ
自立支援法は機能するか
Interview 私ならこうする! 慶応義塾大学教授 竹中平蔵/首都大学東京教授 阿部彩/ビッグイシュー日本代表 佐野章二
以下は目次中の二本の記事についてのメモです。

「元AV女優・日経記者が歩く女性の貧困最前線」(鈴木涼美)

・シングルマザーの職場としての風俗店について
ある風俗店の店長は
「子育てをしながら仕事をしなければならない女性が、通常のパート仕事では時間の融通が利かなかったり収入が低かったりすることから、風俗の仕事を意識的に選ぶことがある」
と語る。
この店ではシングルマザーや子どものいる既婚者が働きやすいように、託児所を設けたり当日欠勤を容認したりしています。

ちなみに、私が勤めているパート先では、当日欠勤1000円のペナルティーという労基法違反の就業規則があります。
しかし、子どものいる外国人女性労働者が多く、彼女らが子どもの病気等でやむを得ず当日欠勤することが多々あり、そういう場合は咎めなしの運用に変わりつつあります。
公務員をしていた時も、女性の同僚に保育所から電話がかかり、子どもが発熱したということで急いで帰宅するということが度々ありました。※この職場では、男性職員も介護・育児のために早退していました。

子育てをしながらの労働は何かと困難がありますが、行政以上に風俗店が女性が働きやすい職場環境を整えているという実態があるようです。

・女性の貧困と夜職の関係
風俗スカウトマンは
「昼の職場は崩壊していると思う。非正規も多いし、正規雇用で週5日忙しく働いて手取りが20万円では、東京の家賃を払いながら生活していくには厳しい。夜職が選択肢に入るのは自然なこと」
と語る。

しかし著者が言うように
「…風俗店で働けなくなった、あるいは条件が劇的に変化してほかの職に就きたくなった場合の出口戦略はあまりない。」
「風俗が貧困のセーフティーネットとなる場合は、確かにあるかもしれない。しかし、本当の貧困は「風俗後」に突然訪れるかもしれないというリスクは女性たち、そして社会も認識しておくべきだ」

ということなのでしょう。
参考:風俗嬢が直面する「40歳の壁」――相談相手のいない女の子たちのリアルを支援団体代表が語る

この記事で取り上げられているのはいわゆる「最貧困女子」より上の階層で「貧困女子」と解されますが
両者の関係は
「…女性の貧困が拡大すればするほど、セックスワークへの参入者は増え、参入障壁が高くなるほどに最貧困女子は追いやられ、収入手段としてはあまりに過酷な売春ワークの中へと吸収されていってしまう。」
『最貧困女子』(幻冬舎新書 2014年 鈴木 大介)より
ということ。
「最貧困女子」については、過去記事「健康で文化的な最低限度の生活を送る「能力」について」
を参照


「住民の「おせっかい」が子どもを貧困から守る 東京・豊島区の「大人たち」の挑戦」
過去記事気晴らし読書『ひきこもり20年、その先 時間との闘いにもがく老親たち』で、
「今の世の中、個々人が抱える問題は、本人かその家族のせいにするか行政に押し付けるかの極端な二者択一になりがちです。もう少し、個々人がおせっかいになってもよいのではないでしょうか?」
と述べましたが、本書では素晴らしい「おせっかい」の事例が紹介されています。

それは、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク
子どもの貧困等の問題を地域から解決していこうと
子ども向けの無料学習支援や「子ども食堂」(一食300円で子ども一人でも入れる)、「夜の児童館」(毎週火曜日16~20時、無料)等々が取り組まれています。

また、同ネットワークのHPで紹介されていた動画にも教えられることが多かったです。


以下、動画に関するメモ
貧困が子どもの発達にいかにマイナスの影響を与えるかは、研究者の論文以上に『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(著者:西原理恵子)が分かりやすい。

「子どもの貧困」は経済的貧困が土台
 ①必需品の不足(衣食住、同年齢・同性の子どもがもっている遊び用具、学習机や図書など)
 ②教育費の貧困(学ぶ機会を剥奪 /教材費、修学旅行代、クラブ活動費、学習塾など)
 ③経験の貧困(家族旅行やキャンプなどの楽しい記憶は、将来の困難な状況を乗り越える力)
この「経済的貧困」の土壌のうえに「貧困の文化」が存在
 ①「暴力の文化」(児童虐待、DV等虐待環境の中での「暴力の文化」の体得)
 ②「個の否定としてのジェンダー文化の浸透」 男らしさ、女らしさの強要と刷り込み
 ③究極的に「あきらめの文化」へ。可能性を奪われた現実を「運命」と感じる
「貧困の文化」を介して「発達の貧困」
 ①自己肯定感・観の低下(自分のことを好きになれない)
 ②行動の暴力的傾向
 ③行動の無謀化

参考:子どもの貧困と子育て「新システム」

関連記事
健康で文化的な最低限度の生活を送る「能力」について
気晴らし読書『生活保護VSワーキングプア』『生活保護VS子供の貧困』
読書『保護のてびき』 生保でいくらもらえるの?


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ちょうそう

  運用がゆるくなっているとはいえ、当日欠勤罰金1000円はひどいですね。自分の部署では、主婦のパートの比率が高く、当日欠勤は日常茶飯事です。繁忙期には欠勤がないようにお願いしますと朝礼で管理者が話しますが、それでも欠勤者が出て特にお咎めはないようです。社会保険の未適用もあってホワイトとは言えないまでも、ブラックともいえない職場ですね、正社員もだいたい紳士的で今のところパワハラもないですし。最近はパートにも人事評価が取り入れられて、欠勤数も評価の対象になっています。
  貧富の格差は是正されて欲しいですね。個人的には国際競争力との兼ね合いも考えながら、出来るだけ高負担高福祉の北欧に近い政府運営をしてもらえるとありがたいですが、選挙結果を見る限り、多くの国民は小さい政府を希望しているようですね。
by ちょうそう (2015-10-18 19:43) 

majyo

実は今日貧困について書こうと思って
下書きはしたのですが、急遽別の記事になりました。

格差社会はここまできました。
渋谷でSEALDsの若い方たちがこれらの問題に触れて
話した時は、本当に涙が出ました。
まさか、自分の代でこのような逆戻り現象が起きるとは・・・
変えなくてはなりませんね。政治を!
by majyo (2015-10-18 20:23) 

hnhk

ちょうそう さん

「パートにも人事評価」という記述で思い出しましたが、学生の頃(90年代半ば)のバイト先は、アルバイトに人事評価がされていました。
二週間おきに点数が貼り出され、一位から数十位までのランクがありました。
ほとんどが学生バイトでしたが、序列が高い場合は、一回生(関東の言い方なら一年生?)でも四回生を呼び捨てです。
特に、上位4人は四天王と呼ばれていました。

北欧の場合、ある程度裕福な人でも、自分が経済的困窮に陥る可能性を常に意識しているようで、それ故に高負担高福祉をある種の保険として支持していると聞いたことがあります。
それに引き換え、日本の場合は、まだまだ転落をリアルに考えられない人が多いようです。
これでは、助け合い以前に、自分の転ばぬ先の杖として高負担高福祉に賛成するという意識にすら至りようがないですね(T△T)

by hnhk (2015-10-19 20:27) 

hnhk

majyo さん

私の職場には外国人が多いこともあって、格差問題は、国内の格差に加えて、南北間という意味でも依然として大きいと思います。

ドイツの「高福祉」がナチス政権化で達成されたとよく言われますが、この場合国内においては高福祉(実情は違いますが)を唱えながら、他国を侵略し他民族に犠牲を強いるという構図でした。

日本の場合も、途上国に犠牲を強いて、そのおこぼれを国内で公平に分配すとるというだけに留まらないようにしたいと考えています(^▽^)/
by hnhk (2015-10-19 20:39) 

takasi

niceコメントありがとうございます。
by takasi (2015-10-23 19:40) 

hnhk

takasi さん

こちらこそご訪問ありがとうございました(^^)
by hnhk (2015-10-23 20:19) 

管狐

格差格差と言いますが正直わが国においてそれほど深刻に
議論されるほどの格差が存在するとは思いません。大体は
当人の努力が足りなかったり怠惰の言い訳であったりする
場合が殆どのように見受けられます。必要なのは機会の
平等であって結果の平等ではありません、その点で言うなら
ばわが国には国民に十分にそれが与えられていると思いま
すが?少なくとも出生や出身地、親の職業(反社会的な職業
や活動等に従事しているのではない限り)で就学の機会を
奪われたり就く職業を制限される訳ではありませんからね。
「貧乏人は麦を食え」といって非難を浴びた総理大臣がいま
したがこの言葉、私は別にそれほど問題とは思いません。
所得が低いなら高める努力をすればいい、あるいは身の丈
に合った暮らしをすればいいのです。それもせずに暮らしが
立たぬのは世間の、ひいては政治が悪い!と声高に叫ぶ
のは単に甘え以外の何物でもありません。私自身高卒の
何処に出しても恥ずかしい肉体労働者ですが自分が貧乏
なのも学歴が無いのも全部自分の責任なので、それを世間
様にケツ持って貰おうとは思いませんよ?流石にその程度の
プライドの持ち合わせはありますし、図々しい乞食ほど他人
の顰蹙を買うものはありませんしね。
by 管狐 (2015-10-26 10:34) 

hnhk

管狐  さん

「…世間様にケツ持って貰おうとは思いませんよ?」との心意気は分かるような気がします。

何でも社会や他人のせいにするのは、私は気に食わない方です。
ですから、本人に帰属することのできない原因による苦境のみを改善すべきという考えです。
ただ、この原因についての認識が、管狐さんと私とでは異なるのでしょう。
参考:【ばたおとだめお】第10回・前編 努力をめぐって――能力主義と結果の平等http://sekinin.blog.so-net.ne.jp/2014-11-10

ちなみに、私の父母弟は中卒でブルーカラーです。また叔父叔母含めて十数名いますが高卒は一人です。
従兄弟、甥姪はもっと沢山いますが、大卒は私ともう一人だけです。

住んでいた団地は低所得者向け団地で千人以上住んでいましたが、団地ができて20年以上立った時点で、大学に進学したのは私だけでした。

小学校高学年の頃には、貧乏で低学歴の家庭に生まれた子供が、親と同じ道を歩むの見て腹立たしく思い、金のある奴らに負けてたまるかと思い勉強に励みました。

中学の頃には、塾に行かず運動部に所属しながらトップになるという目標を立て達成しました。
肉体労働に誇りを持ち、学歴は中卒で良いと思っていた父は、こんな私を苦々しく思っていましたが…

しかし、大学に行って気付きました。
自分が勉強できたのは、努力の結果ではなく、相当程度遺伝的要因であることを。

なぜなら、私の進学した大学の学生は、ほとんどが親が大卒かつ高給取りばかりで、頭の良い人が多かったからです。
頭が良いというのは、普通の人が数時間かけて理解するところを一度聞くだけで理解してしまいます。
はっきり言って、努力で追いつける世界ではないし、生まれつき頭が良くないと圧倒的に不利です。

人間はかくも不平等であると、まざまざと認識させられました。
ちなみにの方が長くなりましたね。
申し訳ありません。



by hnhk (2015-10-26 18:14) 

管狐

>本人に帰属することのできない原因による苦境のみを改善>すべきという考えです。
>ただ、この原因についての認識が、管狐さんと私とでは異>なるのでしょう。

この「原因」を社会に求めるのか、本人に求めるのかが私と
hnhkさんの根本的に相容れない所ではあるのでしょうね。
生まれた時点で両親の経済状況や環境、あるいは個人の
持って生まれた才能・能力、時にはハンデ等の当人にはどう
しようもない事情で不利なスタートを切らなければならない
事はあるでしょう。しかしそれは誰だって同じでありお金持
ちの家に生まれたからと言って五体満足とは限らないし極貧
の中に生まれ育ったからといってとんでもない才能能力に恵
まれる人間だっています。人間が生まれながらに平等な訳が
ない、人間が一人一人違う限り格差も不平等も生じて当たり
前なんです。だから私はその責任を社会には決して問いませ
ん、生まれがどうあれ「配られたカードで勝負するしかない」
のですから。
by 管狐 (2015-10-26 18:50) 

hnhk

管狐 さん

私の考えを補足します。
「原因」は社会にもあり本人にもあると思います。
その割合は、個々人によってグラデーションがあるでしょう。

ですから、「配られたカードで勝負」した上で、それでもダメな場合に、「救済」を受ける(実施主体は国・自治体・NPO等)のが理想です。

ただ、「救済」は強者から弱者への施しではなく、ハンデを背負った人の権利として認められていることが前提です。


by hnhk (2015-10-27 11:30) 

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