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こんな感じ(自称「半農半活動」)で生息しています。
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半農半X とBライフにインスパイアされました。

死なない以上は、子孫と環境に負の遺産を残さないように生きれればと考えています。
単身で気楽に生活、ピンピンコロリでフェードアウト!が理想です。
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回想の明治維新―一ロシア人革命家の手記 [読書]

回想の明治維新回想の明治維新―一ロシア人革命家の手記』 
著  者:レフ・イリイッチ メーチニコフ
翻  訳:渡辺 雅司
出版社:岩波書店
発行日:1987/3/16
文  庫:350頁








「ラジオ版 学問ノススメ Special Edition」のPodcastsで
『国家の品格』の著者である藤原正彦さんの回を聞きましたが、
日本への誇りを取り戻す云々のくだりで、
幕末から明治にかけて来日した外国人を魅了した日本文化について強調されていました。

アメリカの価値観に骨抜きにされた日本人への対処として、
藤原さんは、日本文化を絶対的に評価されるのですが、
わたしには、民族主義的に思われ、どうも受け入れられません。

もしかすると、結果として日本人の思想を相対化する効果を狙っての
極端な言動かもしれませんが、学者の態度としてはいささか疑問も感じます。

ですが、藤原さんの言説に触発されるところもあり、読んでみたのが、今回紹介する著作です。

著者のメーチニコフは、ロシア貴族の家系に生まれ、
兄はトルストイの小説のモデルになった高級官僚、弟は細菌学者でノーべル賞を受賞、
自身は20近い言語を操る亡命ロシア人革命家です。

メーチニコフは、欧州各国の革命運動に参加し、ガリバルディ軍の副官も務めますが、
パリ・コミューン敗退後の欧州の沈滞した雰囲気のなかで、
東洋の日本で革命成就の報を聞き、日本に渡ることを決心します。

訳者はその解説で、ナロードニキの思想を持つメーチニコフが、「後進性の優位」(後発資本主義国の革命理論)の実証研究として、日本に行くことを決意したのではと推測しています。

しかし、亡命中のメーチニコフは経済的に不遇で、渡日の術もなく途方にくれますが、
ジュネーブで、留学中の大山巌(後の陸軍元帥)にフランス語を教える機会を得て、
同時に日本語の口語・文語(漢字も含む)の習得にも努めます。

その後、岩倉使節団と出会い、ついには薩摩藩子弟のための学校開設のため、
日本に赴任することとなります。
ところが、西郷が陸軍卿をやめたことにより、予定が変更され
東京外国語学校で2年間教鞭をとることになりました。

この2年間の回想記が本書です。
メーチニコフは、『日本外史』等の古典まで読みこなし、
日本文化や維新の原動力を独自に研究します。
130年近く前に、外国人がこれほどまでの水準の日本研究を行っていたことに
心底、驚愕させられました。

日本の民度の高さを賞賛するメーチニコフですが、
訳者は本書の解説で、
「確かに現在からみると、メーチニコフの日本文明の評価は過大にすぎると思えるかもしれない。だが西欧文明に侵蝕されかねない状況に置かれていた明治初年の日本人に自信を植えつけ、他方、西欧人にたいしては傲りを捨てさせようとするメーチニコフの真意を理解せねばなるまい。もし本訳書が、無自覚にジャパン・アズ・ナンバーワンを謳歌する昨今の風潮に新たな根拠を与えるとしたら、著者はさぞかし嘆くことだろう」
と記し、読者に注意を促します。

本書の解説が書かれたのは1986年ですが、
もし、今、解説が書かれたとしたら、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とは
全く異なる文脈から警鐘を鳴らすことになるのかもしれません。


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